日本野球機構(NPB)のアンチ・ドーピング調査裁定委員会(委員長=加藤良三コミッショナー)は1日、中日の井端弘和内野手(36)が薬物使用(ドーピング)検査で陽性反応を示したとして、けん責処分とした。2007年に同検査が本格導入されてから日本選手では初の違反者。通算4人目。
同委は競技力向上目的ではなく、治療薬使用での球団内手続きミスと本人の誤った思い込みが原因と判断し、出場停止などのない最も軽い処分とした。中日球団には制裁金300万円を科した。
井端は今年7月12日のヤクルト戦(神宮)で検査対象選手となり、尿検体から禁止物質の「プレドニゾロン」などが検出された。井端は09年4月、目の治療薬として炎症などを抑えるステロイド系薬物「プレドニゾロン」を「治療目的使用に関する除外措置」(TUE)として、NPB医事委員会に申請。以後も球団トレーナーに使用を報告していたが、TUE判定書の有効期限は同年5月30日までだった。球団はTUE判定書を保管していなかったという。
NPBは、球団が井端に失効期日を伝えていなかったことを指摘。TUEに関して球団が責任者を決めておらず、管理に不備があった-などとして、規定に基づき今回の措置を決めた。加藤コミッショナーは「今回の問題は一種の手続きミスだが、注意を喚起したい」と話した。
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