「ザ!鉄腕!DASH!!」で人気企画だったDASH村。
自然豊かで、のどかな田舎暮らしをお茶の間に届けてきたが、東日本大震災後は福島第1原発の事故で計画的避難地域に指定されて、ゴーストタウン化。計測するとかなりの高値をマークし、放射能の危険にさらされていた。
すでにDASH村は番組の中で福島県浪江町にあることを明かし、動物やスタッフ、企画を手伝う住民は避難している。
浪江町は「計画的避難区域」に設定され、おおむね先月末に住民の避難が完了する予定だった。だが、お年寄りを中心に避難を拒む町民も少なくなく、ある町民は「100人近くがまだ避難せず、屋内でひっそりと暮らしている」と話した。
DASH村は、地元の人に聞かなければわからない入り組んだ丘の上に位置している。原発からは直線距離で約25キロ。そのずっと手前に震災警戒の応援で配置された三重県警がバリケードを築き、徹底した入域チェックを行っているため、用事のない一般人の立ち入りは、できない。
DASH村に近づくと、巨大な木製の門で固く閉ざされていた。100メートルほど後ろに番組でおなじみの納屋が見える。勝手口の脇には「関係者以外立ち入り禁止」「無断出入は不法侵入となります」という看板。さらに脇のヤブにも鉄条網が巻かれ、警備会社のセンサーと赤いパトランプまで用意された、鉄壁の守りとなっていた。
門には「てつわん」や相合い傘などいたずらの痕跡が多数あり、厳重な警備のワケを物語る。
さっそく周囲で放射線量を測定したところ、記者の胸のあたりで、毎時15・2マイクロシーベルトを記録(ちなみに、この日、東京都は0・06マイクロシーベルト)。門は17・27マイクロシーベルト、周囲の土壌の上は20マイクロシーベルトを超えていた。
仮にこの土壌の状態が続けば単純計算でも年間累積175ミリシーベルトで、避難の基準となる年20ミリシーベルトを軽く超えてしまい、事実上、今後のロケは不可能といえるレベルにまで達していた。
少し離れた放射線量の低い場所に住む住民が、こう話した。「町民をスタッフとして雇ってくれたし、テレビ映えする茶色いヤギを高値で買おうとしてくれたりと、地元に貢献してくれたのに残念だ。長瀬智也クンもアツい奴だったのに…。残っている町民も『DASH村のあたりは放射線量が高い』とだれも近づかないよ」
今や危険地域の目印になっているという。