三河湾に浮かぶ愛知県の3つの離島へ観光客を呼び込むため、これらの離島をPRしてくれるスタッフを県が募集している。
この「あいちの離島80日間チャレンジ!」は、県が国の緊急雇用創出事業基金を使い、失業中の求職者を対象に募集している離島振興事業。各島に配置されたスタッフは、島の観光スポットなどを体験しながら、ブログやツイッターなどインターネットを使って離島の魅力を発信するのが仕事。
佐久島、日間賀島、篠島の3島は、知多半島から高速船で約10~20分、日帰りで自然や海産物を楽しめる観光地だ。「日本の夕陽100選」にも選ばれた篠島、「トラフグとタコの島」で知られる日間賀島は年間40万人ほどの観光客が訪れたこともあったが、県の地域振興課によると近年横ばいまたはやや減少傾向にある。佐久島は「自然あふれるアートの島」ということで見直され観光客が増えていたが、東日本大震災以降はいずれも減少しているという。
県が今回の企画で参考にしたのは、オーストラリア・クイーンズランド州の観光公社が2009年に募集した「世界最高の仕事」だ。世界最大の珊瑚礁であるグレート・バリア・リーフ内の島に住み込んでブログなどでPRするというもので、報酬は半年間で15万豪ドル(約1300万円)。世界中から約3万5000人もの応募があり、最終選考の16人に日本人女性が残ったことでも話題となった。
愛知県の事業では勤務期間は2011年9月1日から12月28日まで、月あたり20日程度、計80日の勤務となる。月給は30万3000円で、島に移住するか、島外から通勤するかは自由だ。勤務時間中は、情報発信だけでなく、役場や観光協会が開いているPR行事などを手伝いながら、島の魅力をより知ってもらうという。
応募には、履歴書などのほか、「イチ芸(特技)やアイデアを活用した」140字以内の「マニフェスト」の提出が求められる。書類選考の通過者は8月18日に予定されているオーディションで、最終選考を受ける。
県の担当者は、「仕事の性質上、目立つこと、顔などの露出に抵抗がなく、ここでの活動を今後の自身のキャリアにつなげて行きたいような人を求めています」と語る。もちろん、失業中の求職者を対象にした事業ということもあり、採用活動中のプライバシーは守るという。
募集は8月12日まで。伊豆七島や鹿児島、沖縄ほど遠方ではないこともあってか、この募集はネットで大きく話題となり、「やってみたい」「無職だったら応募したい」といった声が多く上がっている。
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