東京大(浜田純一学長)が、入学時期を春から秋に移行する方向で検討を始めていることが1日、わかった。入学時期を海外の大学と合わせることで、海外からの留学生の受け入れと東大生の海外留学を促進し、大学の国際化を進めるのが狙い。今年4月から学内のワーキンググループで議論を始めており、年内にも方針を打ち出す。
文部科学省によると、欧米の大学では9月入学が一般的。東大は、日本の大学との入学時期のずれが留学を阻害する一因となり、大学の国際競争力向上を妨げていると分析。浜田学長の任期中(15年3月まで)の基本構想「行動シナリオ」で、今年度の検討項目として、国際的に通用する「タフな東大生」を育てるため、「将来的な入学時期の在り方」を検討項目の一つに挙げていた。
東大によると、現時点の検討内容は、入試については、高校の卒業時期に合わせて、従来通り春に行う。合格から秋に入学するまでの約半年間は、留学やボランティア活動などに使う。卒業時期については、基本的に4年後の秋としている。
高校卒業後、自由な時間を過ぎすことのできるギャップイヤーを置くことで、さまざまな体験ができるほか、
ギャップイヤーで経験したことにより、大学の中退率が下がることも期待している。
事実、イギリスでは大学の中退率は20%程度いるが、ギャップイヤーを利用した若者に関しては中退率がわずか3~4%との報告もある。
一方で、秋に卒業してしまったら、その後の就職時期はどうなるというのか。
次の春まで待ち、1つ下の世代と同じ入社年度としてスタートするのか、
秋に入社して、半年遅れで新入社員の合流するのか。
大学の国際化を進めるという狙いだけで東大だけが、
9月入学を実施するのか、他の大学も巻き込むのか。企業の対応にも注目だ。
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