良いと思います、この試み。
歩行者だけでなく、擦り抜けてくるバイクや自転車の巻き込み事故減少の対策にも繋がりますので。
ただ、日本の狭い道路事情、上の絵のような直進専用信号に従い、右左折車を分離させるとなると、片側3車線の道路幅が必要になってくる。
そうなると、渋谷のスクランブル交差点のように、完全に車と歩行者の青信号を分離させる必要があり、車も歩行者も赤信号の時間が長くなる。
交通量の多い交差点では渋滞発生の大きな原因にも繋がり兼ねない。
こちらは、兵庫県西宮市にある札場筋交差点。
東西に走る国道2号に、北から国道171号が、南からは阪神高速・西宮ICに繋がる札場筋線が合流する交通の要衝である。
直進と右左折専用レーンが設けられており、一見すると安全意識の高そうな交差点に見えるが、この札場筋交差点に横断歩道が敷かれるようになったのが2007年3月。
それまでは、交差点には自動車専用の横断レーンがあっただけで、地上は自動車と自転車のみが通行。
歩行者はというと、今なお残る立派な歩道橋を渡るようになっていたのだが、歩道橋を上り下りするのを億劫に感じた人がよほど多かったのだろう。
2003年4月から2006年3月の3年間だけで62件の人身事故(うち3件は重傷事故)が発生。
これを受け、横断歩道と歩行者用信号が設置。今ではほとんどの人が横断歩道を使っている。
歩車分離という意味で、大きく役立つはずだった横断歩道橋。それが活用されていない一例である。